TOPIX – 三相不平衡
- 三相電源電圧の不平衡について受け入れる度合いを検討する必要がある。
- EN60204-1では、電圧不平衡2%が示されている。
- 別途記述がなければ、規格が前提とする電源条件を受け入れられるとみなされる。
- 詳細は無料ダウンロード、有料版は別途お申し込みください。
三相電源条件
規格 EN/IEC 60204-1では、三相電圧不平衡について言及があります。
4.3 Electrical supply
4.3.1 General
The electrical equipment shall be designed to operate correctly with the conditions of the supply:
[…]
Voltage unbalance
Neither the voltage of the negative sequence component nor the voltage of the zero sequence component in three-phase supplies exceeding 2 % of the positive sequence component.
電気機器類は、以下の電源条件で正しく動作するよう設計されなければならない。
[中略]
電圧不平衡
三相電源での逆相電圧も零相電圧も、正相電圧の2%を超えない。
4.3 Electrical supply EN/IEC 60204-1 より抜粋
三相回路においては、各相の電圧が等しく、互いの位相差が正確に120度ずれているとき、三相の電圧が「平衡している」状態です。
しかし現実には様々な要因によって、各相の電圧・位相は理想的にはならず、多かれ少なかれ不平衡状態となっていることが通常です。僅かな不平衡は通常問題ありません。しかし一方で、極端な不平衡状態では、電気機器が正常に動作しないことは当然として考えられます。
上述の規格書は、『電圧不平衡率が2%を超えていない状況では、機器類は正しく動作してください。』、というものです。法律ではありません。しかし、上記規格書に適合していることを仕様書・取扱説明書等に記述し、不平衡率に関して何も言及がない場合、製品は、2%の不平衡率を超えない範囲内で正常に動作するものとして扱われます。
使用者は不平衡率2%を超える電源に当該機器を接続することは不適切でありそのような使用はしません。当該機器のメーカーは、不平衡率2%を超えない範囲内では正常に動作するよう設計する必要があります。
機械の電気安全 EN/IEC 60204-1
使用者
不平衡率2%を超える電源に
接続しない
不平衡率
2%未満
メーカー
不平衡率2%を超えない電源で
正常に動作するよう設計
欧州の低電圧配電網
「欧州規格規格 EN 50160 公共配電網の電源電圧特性」では、1週間のうちの95%の時間で、10分平均の実効値(基本波)での逆相成分は、正相成分の0%~2%の範囲内(地域によっては3%以内)と規定されています。
一般的な通念として、欧州の公共配電網の三相電圧の不平衡はほとんど無いと考えてよさそうではありますが、しかし、局所的、突発的には不平衡状態になることはあり得る、と考えておいた方が良いでしょう。
一方で、公共ではない、工場独自の変電設備の2次側や、機械設備内変圧器の2次側、大きな偏った負荷と同じ系統などでは、三相バランスが不平衡かもしれません。発電機はその仕様上許容されている負荷バランスの範囲内で使用する必要があります。
機械類のCEマーキングでは、多くの場合、上述の規格 EN/IEC 60204-1 に記載の技術仕様を満たしていることを確認します。電圧不平衡率について特別な要件がある場合には、納入先と協議し、あるいは納入先から要望され、仕様書等に明記する必要があります。または、量産モデルの場合には予め販売資料に条件を記載するなど必要です。
電源品質に関して、敏感な製品、あるいは、電源品質が不安定と想定できる現場などでは、工場の配電盤内や装置内部に、電源品質を監視・記録する装置を設ける場合があります。
電圧不平衡率とは
電圧不平衡率は次の式で表されます。
計算で得られる正相電圧・逆相電圧は、ベクトル量です。不平衡率は、ベクトルの ”大きさ” の比率です。
零相・正相・逆相ーSequence Components
Zero sequnce component
零相成分
Positive sequnce component
正相成分
Negative sequnce component
逆相成分
ここでは簡単に、計算式のみ紹介します。詳しい説明は、下記の無償/有償の技術資料・計算シートをダウンロードください。
各相の電圧と位相を、複素ベクトルVa、Vb、Vcとします。零相電圧をV0、正相電圧をV1、逆相電圧をV2として、下記のように表せます。
ただし、a は、1回乗算するたびに、ベクトルが120° 回転する演算子で、
です。
逆算もできます。
詳しい説明・計算シートは、以下からダウンロード可能です。
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2022-12-06