メーカーのための6つのステップ

6steps-image

TOPIX –CEマーキングの6つのステップ

  • 欧州委員会のウェブページで、メーカー向けにCEマーキングのための6つのステップが紹介されている。
  • この記事はそのウエブページを一次情報として紹介するとともに、実務的な観点から意訳と解説を加えている。
  • それぞれの詳細は、リンク先の各記事をご参照ください。

6つのステップ

欧州委員会 (European Commission) の CE marking —

manufacturers

のインターネットページには、メーカー向けにCEマーキングを行うための6つのステップが記載されています。

CE marking —【 manufacturers 】

(リンクをクリックすると、manufactures のページが別ウインドウで開きます。)

以下、順番に見ていきましょう。

Manufacturers

Manufacturers play a crucial role in ensuring that products placed on the extended single market of the European Economic Area (EEA) are safe. They are responsible for checking that their products meet EU safety, health, performance and environmental protection requirements. It is the manufacturer’s responsibility to carry out the conformity assessment, set up the technical documentation, issue the EU declaration of conformity, and affix the CE marking to a product. Only then can this product be traded on the EEA market.

製造業者

欧州経済領域(EEA)の拡大された単一市場に置かれる製品の安全性を確保する上で、製造業者は極めて重要な役割を担っています。製造業者は、自社製品がEUの安全、健康、性能、環境保護に関する要件を満たしていることを確認する責任があります。適合性評価の実施、技術文書の作成、EU適合宣言の発行、そして製品へのCEマーキングの貼付は、製造業者の責務です。これらの手続きが完了して初めて、当該製品はEEA市場で取引できるようになります。

ここでいう「安全性の確保」とは、EUが定める「安全、健康、性能、環境」の要件を満たすことですが、実務上はこれに加えて「財産(property)」の保護も求められます。

要件を満たすよう製品を設計・製造し、技術文書を作成することは、メーカーに固有の責務であり、他者が代行することはできません。他者が行えるのはあくまでサポートまでです。

また「これらの手続きが完了して」とありますが、どこかに届け出する手続きがあるわけではありません。CE マーキングはメーカー自身が完結させる自己宣言制度であり、原則として提出先はありません。(一部例外はあります。)

次に、欧州委員会が示している「6つのステップ」について説明があります。ひとつずつ見ていきましょう。

If you are a manufacturer, you have to follow these 6 steps to affix a CE marking to your product

  1. 1.Identify the applicable directive(s) / regulation(s) and harmonised standards

The directives and regulations aligned with, or based on the reference provisions of Decision 768/2008/EC, are listed here.

製造業者の方は、製品にCEマークを貼付するためのこれら6つのスッテプを読み進めててください。

  1. 1.該当する指令/規則および 整合規格を特定する

決定768/2008/ECの参照規定に準拠またはそれに基づく指令および規則は 、【ここ】に記載されています。

欧州委員会のウェブページには、関連情報へのリンクが設定されており、そこから各指令・規則のページにジャンプできます。実際に開いて確認することをお勧めします。

「該当する指令・規則および 整合規格を特定する」ことは、メーカーが行うべき最初のステップして説明されています。

製品に該当する指令・規則および整合規格をを特定するには、製品に関連するリスクを軸に判断する必要があります。ブルーガイド4.1.2.2のフロー図を参照すると理解がすすみます。(コラム 整合規格 参照)

  1. 2.Verify product specific requirements

EU legislative acts based on the ‘new approach’ and ‘new legislative framework’ policies, providing for the CE marking, have been designed in such a manner that they cover, within their respective scope, all requirements for products from each of the sectors. However, it is possible that more than one regulation or directive applies to the same product. Furthermore, other EU legislation (such as horizontal legislation on chemicals or on the environment) can apply.

  1. 2.製品固有の要件を確認する

CEマーキングを規定する「新アプローチ」および「新立法枠組み」政策に基づくEU法令は、それぞれの適用範囲内で、各分野の製品に関するすべての要件を網羅するように設計されています。ただし、同一製品に対して複数の規制または指令が適用される場合があります。さらに、その他のEU法令(化学物質や環境に関する横断的法令など)が適用される場合もあります。

CEマーキングに関連する各指令・規則は、互いに排他的に適用されるわけではありません。単にそれぞれの指令・規則の適用範囲だけで判断すると、製品に関連するリスクをカバーできていないことに気づかない可能性が考えられます。製品が持つ複数のリスクに応じて、複数の法令を重ねて適用する必要があります。したがって、メーカーは「どの指令・規則が適用されるか」を、製品に関連するリスクを軸に体系的に判断する必要があります。

同じリスクをカバーしている指令・規則間には包含関係が存在する場合があります。より具体的な指令・規則が、より一般的な指令・規則がカバーするリスクをすでに包含している場合、より一般的な指令・規則は適用されないことがあります。

それぞれ異なる指令・規則であるのにカバーするリスクが重複しているこのような場合には特に注意が必要です。

一般製品安全規則(GPSR)第2条にあるように、製品に関連するリスクをカバーしている指令・規則を決定することが間違いのない決定方法です。その上で各指令・規則に記載されている「適用/不適用の条件」を丁寧に確認し、製品に該当する指令・規則を特定します。

製品に関連するリスク側面をカバーする指令・規則がない場合、そのリスクについては一般製品安全規則(GPSR)の一般安全要件(第5条)が、補完的に適用されます。(記事 一般製品安全規則は、CEマーキングと無関係ではない 参照)

  1. 3.Identify whether an independent conformity assessment (by a notified body) is necessary

For products that present higher risks, the manufacturer cannot check safety alone. In these cases, an independent organisation, specifically a notified body appointed by national authorities, has to perform the safety check. The manufacturer may only affix the CE marking to the product after this.

To find the notified bodies appointed by the EU countries to carry out conformity assessment, please use NANDO – the ‘new approach notified and designated organisations’ database, where you can search for notified bodies by legislation or by country.

  1. 3.独立した 適合性評価 (ノーティファイドボディによる評価)が必要かどうかを判断する。

リスクの高い製品の場合、製造業者単独では安全性を確認できません。このような場合、独立した機関、具体的には各国当局が指定したノーティファイドボディが安全性の確認を実施する必要があります。製造業者は、この確認が完了した後でなければ、製品にCEマークを貼付することはできません。

EU加盟国が適合性評価を実施するために指定したノーティファイドボディを探すには、 NANDO(「新アプローチノーティファイド・指定機関」データベース)をご利用ください。NANDOでは、指令・規則別または国別にノーティファイドボディを検索できます。

該当する指令・規則のなかで、製品のリスクに応じて分類され、選択可能なモジュールが示されます。モジュールとは、ノーティファイドボディの関与のあり方であり、A(関与なし、内部生産管理)からH(完全品質保証)まで定義されています。(参考: モジュール一覧表

製品に該当する指令・規則とそのモジュールに応じて、ノーティファイドボディに関与を依頼することが必要になる場合があります。一方、ノーティファイドボディにはそれぞれ関与できる/関与できない指令・規則が定められています。上記のデータベースで調べることができます。

  1. 4.Test the product and check its conformity

A notified body verifies, in most cases, both the quality management of the manufacturer, the design of the product and its compliance with the ‘essential requirements’. The manufacturer may also choose another conformity assessment route. In that route, the notified body verifies the product type for the conformity with the essential requirements and the conformity of the final products with the type. After successfully completing the assessment, the notified body issues (a) certificate(s) indicating what has been verified.

The manufacturer must draw up the EU declaration of conformity (DoC) to declare his sole responsibility for the conformity to the relevant regulation or directive. The DoC must include the manufacturer’s details such as name and address, essential characteristics of the product, if applicable the identification number of the notified body as well as a legally binding signature on behalf of the organisation.

  1. 4.製品をテストし、適合性を確認する

ノーティファイドボディは、ほとんどの場合、製造業者の品質管理、製品の設計、および「必須要件」への適合性の両方を検証します。製造業者は、別の適合性評価ルートを選択することもできます。そのルートでは、ノーティファイドボディは、製品タイプが必須要件に適合していること、および最終製品がそのタイプに適合していることを検証します。評価が正常に完了すると、ノーティファイドボディは検証された内容を示す証明書を発行します。

製造業者は、関連する規則または指令への適合性について自らの単独責任を表明するため、EU適合宣言書(DoC)を作成しなければなりません。DoCには、製造業者の名称や住所などの詳細情報、製品の主要な特性、該当する場合はノーティファイドボディの識別番号、および組織を代表する法的拘束力のある署名を含める必要があります。

前半の文章については、3. を参照してください。後半の文章については、6. を参照してください。

製品のテストは、メーカー自身で可能、試験所に委託することも可能です。モジュールの選択に応じて、ノーティファイドボディによるテストを依頼することが必要になる場合もあります。

いずれにしても、適合確認の主体はメーカー自身であり、外部試験所への委託やノーティファイドボディの関与を得ることは、社外のサポートを得ること、また適合確認の透明性を担保することにほかなりません。(記事 CEマーキングにおける評価・試験 参照)

  1. 5.Draw up and keep available the required technical documentation

Prior to submission of an application to the notified body or, at the latest, when placing the first device of the respective type on the market, the manufacturer must establish the technical documentation. The technical documents must enable the assessment of the conformity of the appliance with the requirements of the legislation.

The manufacturer or his authorised representative established in the European Union is required to keep copies of the technical documentation for a period specified in the applicable regulation or directive.

  1. 5.必要な技術文書を作成し、保持する

製造業者は、ノーティファイドボディへの申込前、または遅くとも当該タイプの製品を初めて上市する時点までに、必要な技術文書を作成し、保持しておかなければなりません。
技術文書は、製品が指令・規則の要求事項に適合しているかを評価できる内容を備えている必要があります。

欧州連合内に設立された製造業者またはその正規代理人は、該当する規則または指令で定められた期間、技術文書の写しを保管することが義務付けられています。

指令・規則内のリスク分類によって、「モジュールA以外」が選択された場合、つまりノーティファイドボディの関与を必要とする「モジュールBからH」の場合には、ノーティファイドボディに技術文書を提出する必要があります。
モジュールAの場合は、遅くとも製品を初めて上市する時点までに、技術文書が完全に準備されている必要があります。

技術文書は、製品が指令・規則の要求事項に適合していることを検証可能とする文書一式です。レポートや図面を単にファイリングしたものではありません。(記事 技術文書 (Technical Documentation) 参照)

欧州規則2019/1020により、EU内の拠点または正規の代理人によって、技術文書(またはそのコピー一式)を提示できるようにしておく必要があります。(ウェブページ Authorised Representative(正式代理人)とは何か ー 参照)

  1. 6.Affix the CE marking and draw up the EU declaration of conformity (27 KB)

Once the necessary steps have been successfully completed, the CE marking must be affixed to the product. The CE marking must be placed visibly and legibly on the product or, if not possible due to the nature of the product, be affixed to the packaging and the accompanying document. The CE marking shall consist of the initials ‘CE’ taking the form below.

The various components of the CE marking must have the same vertical dimension, and may not be smaller than 5 mm. If the CE marking is reduced or enlarged, the proportions given in the above graduated drawing must be respected.

When the product is subject to other EU regulations or directives covering other aspects and which also provide for the CE marking, the accompanying documents must indicate that the product also conforms to those other legislative acts.

If a notified body has been involved in the conformity assessment procedure, its identification number must also be displayed.

  1. 6.CEマークを貼付し 、 EU適合宣言書 を作成する (27KB)

必要な手順がすべて完了したら、CEマークを製品に貼付しなければなりません。CEマークは、製品に明瞭かつ読みやすいように貼付するか、製品の性質上それが不可能な場合は、包装および添付書類に貼付しなければなりません。CEマークは、以下の形式の「CE」の頭文字で構成されます。

CEマークのデザイン図

CEマーキングの各構成要素は、同一の垂直寸法を有し、5mm未満であってはならない。CEマーキングを縮小または拡大する場合は、上記の段階図に示された比率を遵守しなければならない。

製品が他の側面を規定する他のEU規則または指令の対象となり、かつそれらの規則または指令がCEマーキングを規定している場合、添付書類には、製品がそれらの他の法令にも適合していることを明記しなければならない。

ノーティファイドボディが適合性評価手続きに関与している場合は、その識別番号も表示しなければならない。

CEマークは公式からダウンロードできます。(記事 CEマーキングの勘どころ 参照)
ノーティファイドボディの関与を得ている場合は、そのノーティファイドボディの識別番号も併せて表示する必要があります。
製品の識別情報等と合わせて、製品上に、視認しやすく劣化しにくい方法で表示することが原則です。

適合宣言書(Declaration of Conformity: DoC)は、製品が複数の指令・規則に該当する場合でも、一つにまとめることが求められています。適合宣言書についての要件は、各指令・規則によっておおむね同じですが、若干異なることもあるので、該当する指令・規則に関して網羅的にその要件を満たしている必要があります。(記事 CE適合宣言書(DoC) 参照)

These 6 steps may differ by product as the conformity assessment procedure varies. Manufacturers must not affix CE marking to products that do not fall under the scope of one of the regulations or directives providing for its affixing.

適合性評価手順は製品によって異なるため、これらの6つの手順は製品ごとに異なる場合があります。製造業者は、CEマーキングの貼付を規定する規則または指令の適用範囲外の製品にCEマーキングを貼付してはなりません。

この「6ステップ」は、CEマーキングでメーカーが何をどうするのかについて、6つのステップに分けて説明しているもので、実際のシステムが6ステップある、実務を6ステップに分けて行えと言っているものではありません。

CEマーキングのプロセスは、各メーカーが自身のマネジメントシステムに応じて確立すればよく、6ステップは理解のための参考であり、その通りにプロセスを確立することを強制するものではありません。

当社では、7つのステージに便宜上分けて、サポート業務を定義しております。(ウェブページ 7つのサポートステージ 参照)

以下、6つのステップと、当社の7つのステージを整理した一覧表です。ご参考ください。

6 steps circle -imag

下表は、6つのステップについて、日本語を付記したものです、それぞれの詳細については、欄内のリンクよりお進みください。

6 steps for CE marking

CEマーキングのための6つのステップ

1

Identify the applicable directive(s) and harmonised standards.

2

Verify product specific requirements.

製品の仕様要求を確認する。

CEマーキングの勘どころ

整合規格とは リスクアセスメント

3

Identify whether an independent conformity assessment (by a notified body) is necessary.

ノーティファイドボディによる独立した適合性アセスメントが必要がどうか確認する。

4

Test the product and check its conformity.

5

Draw up and keep available the required technical documentation.

技術文書を作成・保持する。

CEマーキングの勘どころ

技術文書 (Technical Documentation)

6

Affix the CE marking and draw up the EU declaration of Conformity.

2020-11-16
6つのステップの解説を追加:2026-05-04