CEマーキングの勘どころ

TOPIX –CEマーキングの勘どころ

  • 一次情報にあたるー欧州委員会による説明
  • 流通のための制度である
  • 関連する”指令”の要求事項・安全目標に適合しなければならない
  • 適合性を提示する技術文書を作成・保持する
  • 適合宣言書を作成・保持する
  • 単独責任において適合を自己宣言する
  • 製品にCEマークを表示する

欧州委員会による説明

CEマーキングとは何か、どう進めればよいのか。
その答えは、まず一次情報(EU委員会の公式説明)にあたることです。
そして、適合宣言に至るプロセス、その後の維持を考慮すれば、一次情報を参照でき、正しく理解していることが必須です。

ここでは、EU委員会がメーカー向けに示している公式説明を引用し、その意味を日本語で整理しながら解説します。

CE marking の ページ

以下、順番に見ていきましょう。

CE marking

The letters ‘CE’ appear on many products traded on the extended Single Market in the European Economic Area (EEA). They signify that products sold in the EEA have been assessed to meet high safety, health, and environmental protection requirements.

CEマーキング

欧州経済領域(EEA)の拡大単一市場で取引される多くの製品には、「CE」の文字が表示されています。これは、EEA域内で販売される製品が、高い安全性、健康、環境保護基準を満たしていると評価されていることを示しています。

上記の説明のように「多くの製品」にCEマーキングは適用されますが、すべての製品に適用されるわけではありません。食料品、飼料、医薬品、航空機、船舶、鉄道など、別の法的枠組みに該当する製品にはCEマーキングは適用されません。

『製品が、~評価されている』、製品を評価する主体はメーカー自身であることに留意する必要があります。(コラム 取得 認証 参照)

高い安全性、健康、だけではなく、「環境」にも要求があることに注意してください。さらに、ここでは取り上げられていませんが、「財産」に損害をもたらさないようにすることも求められています。

「CEマーク」はメーカーがその適合性を宣言し、製品に表示するマークです。(コラム CEマーク 参照)

次に、各経済主体についての簡単な説明があります。

Manufacturers

Manufacturers play a vital role in ensuring that products placed on the extended single market of the EEA are safe. It is their responsibility to carry out the conformity assessment, set up the technical file, issue the EU declaration of conformity and affix the CE marking to a product.

製造業者

メーカーは、欧州経済領域(EEA)の拡大単一市場に投入される製品の安全性を確保する上で重要な役割を担っています。適合性評価の実施、技術ファイルの作成、EU適合宣言の発行、製品へのCEマーキングの貼付は、メーカーの責任です。

ここでは「製品の安全性を確保」とだけ取り上げられていますが、実際は、安全性と健康、環境、財産に損害をもたらさないようにすることが求められています。

メーカーは適合性評価を実施します。権威ある組織からのライセンスを得るのではありません。市場監視当局が適合を検証するに足りる技術文書を作成することは、メーカーに固有の責務です。他人が技術ファイル(=技術文書一式)を作成することはできず、サポートまでです。

さらに、メーカーはEU適合宣言書を自身で発行します。市場に向かって、メーカー自身単独に責任において自ら適合を宣言するのです。誰かが認可するのではありません。
そしてメーカーは製品にCEマークを貼り付けます。消費者にとって、そうでない製品との区別をつけるためです。

“affix the CE marking(CEマーキングを貼る)” という表現について、「CEマーキングを貼るとはなんだ?貼るのはCEマークだろう」と考えるのは自然で正しい感覚です。

「CEマーキング」とは、要件を満たし、技術文書を作成し、適合宣言書を発行するなど、EU 法令で定められた義務の全体を指す言葉であり、その中には製品へ CE マークを貼る行為も含まれます。
曖昧な言葉遣いが慣用化され、ときとして混乱を招いている場面がしばしばあります。マーク表示するという単純な行為を示したい場面では“affix the CE mark(CEマークを貼る)” と表現する方が明確です。(コラム CEマーク 参照)

なお、単に「マークを貼る」だけでは CEマーキングを満たしたことにはならず、違反です。

また、ここでは言及されていませんが、EU内に代理人(メーカーの責務の一部を契約によって履行する者)が必要です。(記事 Authorised Representative(正式代理人)とは何か 参照)

Importers and distributors

Importers and distributors help ensure that only products compliant with EU rules, bearing CE marking are placed on the EEA market. As intermediaries between manufacturers and traders they must have knowledge of the legal requirements and ensure that products they distribute or import meet them.

輸入業者および販売業者

輸入業者と販売業者は、EUの規則に準拠し、CEマークが付された製品のみがEEA市場に出回るようにする役割を担っています。製造業者と販売業者の仲介者として、彼らは法的要件を熟知し、販売または輸入する製品がそれらの要件を満たしていることを確認しなければなりません。

輸入業者と販売業者にも一定の責務が課されており、不適切、不安全な製品を輸入・販売することはできません。また、不適合、リコール発生時に適切な対応をとることも求められています。

彼らはその責任の下、製品が法的要件を満たしているかどうかを確認しなければなりません。この確認には、メーカーから必要な情報や文書を得ることも含まれます。メーカーは確認に応じなければ、輸入業者及び販売業者は彼ら自身の責務を全うできないため、輸入・販売できないことになります。(記事 流通業者の役割 参照)

EU Consumers

EU consumers may have different preferences when it comes to the colour or brand of products such as a new laptop or a toy for their children. At the same time, they expect all products on the market to be safe.

EUの消費者

EUの消費者は、新しいノートパソコンや子供のおもちゃといった製品の色やブランドに関して、それぞれ異なる嗜好を持っている。同時に、市場に出回るすべての製品が安全であることを期待している。

消費者とはおじいさん、おばあさんから子供まであらゆる人が含まれています。製品に関する予備知識や理解を前提にすることはできず、合理的に予見可能な範囲内で誤使用をすることを前提にしなければなりません。(記事 合理的に予見可能な誤使用 参照)

工場などでは雇用者がユーザーとみなされます。労働者を安全に従事させる義務が課されているので、不適切なツールや生産機械を導入することはできません。

次のセクションは、欧州委員会の実際のウェブページでは多くの参照リンクを含んでいます。ぜひ実際のページに行って、リンク先を参照してください。

CE marking in your country

Contact details for authorities who may be able to help you with CE marking.

When you buy a new phone, a teddy bear, or a TV within the EEA, you can find the CE mark on them. CE marking also supports fair competition by holding all companies accountable to the same rules.

By affixing the CE marking to a product, a manufacturer declares that the product meets all the legal requirements for CE marking and can be sold throughout the EEA. This also applies to products made in other countries that are sold in the EEA.

There are two main benefits CE marking brings to businesses and consumers within the EEA

  • businesses know that products bearing the CE marking can be traded in the EEA without restrictions
  • consumers enjoy the same level of health, safety, and environmental protection throughout the entire EEA

CE marking is a part of the EU’s harmonisation legislation, which is mainly managed by Directorate-General for Internal market, Industry, Entrepreneurship and SMEs. The CE marking for Restriction of Hazardous Substances is managed by Directorate-General for Environment. Comprehensive guidance on the implementation of EU product rules can be found in the so-called Blue Guide.

This website provides information for manufacturers, importers and distributors on their responsibilities when placing a product on the EEA market. It also informs consumers about the rights and benefits that CE marking brings them.

If you’re looking for information on CE marking in your country, contact the Enterprise Europe Network or check the list of contact points in the EEA.

あなたの国のCEマーキング

CEマーキングに関して支援を提供できる可能性のある当局の連絡先情報。

欧州経済領域(EEA)内で新しい携帯電話、ぬいぐるみ、テレビなどを購入すると、それらにCEマークが付いているのがわかります。CEマークは、すべての企業が同じ規則に従うことを義務付けることで、公正な競争を促進する役割も果たしています。

CEマークを製品に貼付することで、製造業者は、その製品がCEマークに関するすべての法的要件を満たしており、EEA域内で販売できることを宣言します。これは、EEA域内で販売される他国で製造された製品にも適用されます。

CEマーキングがEEA域内の企業と消費者にもたらす主なメリットは2つあります。

  • 企業は、CEマークが付いた製品はEEA域内で制限なく取引できることを認識している。
  • 消費者はEEA全域で同じレベルの健康、安全、環境保護を享受できる。

CEマーキングは、EUの調和法制の一部であり、主に域内市場・産業・起業・中小企業総局が管理しています。有害物質制限に関するCEマーキングは、環境総局が管理しています。EU製品規則の実施に関する包括的なガイダンスは、いわゆるブルーガイドに記載されています。

このウェブサイトは、製造業者、輸入業者、販売業者に対し、製品をEEA市場に投入する際の責任に関する情報を提供します。また、消費者に対して、CEマーキングがもたらす権利とメリットについても情報を提供します。

自国におけるCEマーキングに関する情報をお探しの場合は、エンタープライズ・ヨーロッパ・ネットワークにお問い合わせいただくか、 EEA(欧州経済領域)の連絡先リストをご確認ください。

ここではもちろん、あなたの国とは、日本ではなく、EU加盟国のこととして読む必要があります。

上記にあるように、CEマーキングは、EU調和法制の一部です。一般製品安全規則(General Product Safety Regulation 2023/988: GPSR)は、その名称の通り一般製品の安全について定めており、CEマーキングはこの一般規則という“土台”の上で調和している制度です。もし、CEマーキングに該当しない製品であっても、GPSRに該当し、製品は安全なものでなければなりません。

この欧州委員会のウェブページは、様々な関連情報に対するリンクがあります。CEマーキングに関連する一次情報を得るための玄関口です。ブックマークをお勧めします。

その次のセクションは、CEマークのダウンロードです。

How to reproduce the CE mark

The archive contains the CE mark in GIF, PNG, JPG, AI and EPS formats.

CEマークの複製方法

このアーカイブには、CEマークがGIF、PNG、JPG、AI、EPS形式で収録されています。

CEマークは公式からダウンロードできます。”Download”をクリックすると、上記の様々なファイル形式が含まれたZIPファイルがダウンロードされます。

正しいCEマークを製品に表示しなければなりません。原則的に製品上に表示することが求められます。(コラム CEマーク 参照)

そして最後セクションは、重要な注意事項です。

IMPORTANT NOTE:

Not all products must have CE marking. It is compulsory only for most of the products covered by the New Approach Directives. It is forbidden to affix CE marking to other products.

Please note that a CE marking does not indicate that a product have been approved as safe by the EU or by another authority. It does not indicate the origin of a product either.

重要な注意事項:

すべての製品にCEマークを貼付する必要はありません。新アプローチ指令の対象となる製品のほとんどにCEマークの貼付が義務付けられていますが、それらについてのみです。その他の製品にCEマークを貼付することは禁止されています。

CEマークは、製品がEUまたはその他の機関によって安全性が認証されたことを示すものではありません。また、製品の原産地を示すものでもありませんのでご注意ください。

ここではっきりと、CEマーキングは、EUまたはその他の機関による認証ではない、と注意喚起されています。これは前段で説明した通り、CE marking(制度)は「適合しているとメーカーが自ら宣言する仕組み」であり、CE mark(物理マーク)はその結果として製品に表示されるものだからです。(コラム 認証 参照)

全ての製品に CE マーキングが適用されるわけではないことは冒頭に解説した通りで、対象外の製品に CE マークを貼ることは法的に禁止されています。これは CE marking が「対象製品にだけ貼れる排他的制度」であることを示しています。

さらにCEマーキングが適用される製品について、もうひとつの判断軸がありますが、ここでは言及されていません。それは、making available on the market(市場で利用可能にする)、placing on the market(市場におく)かどうかです。これらの概念についても混乱が乗じている場面がありますが、別記事に譲ります。(記事 市場に置く、利用可能にするとは? 参照)

以上、実際に欧州委員会のウェブページを開き、一次情報をご確認ください。
以下は当方による要点まとめです。

CEマーキングとは

CEマーキングは、メーカー自身の単独責任において、関連する指令への適合を示す技術文書を作成し、これに適合している旨の宣言書を作成して、製品にCEマークを表示します。

関連指令の必須要求事項を満たす製品を設計・製造しなければなりません。そのためにはまず、包括的なリスクアセスメントを実施し、設計及び適合確認の参考とする整合規格(指令への適合についての推定を与える技術仕様)を適切に選択します。整合規格の選択は自由(free to choose)です。

設計は、関連指令の必須要求事項を満たすように製品を設計する際、包括的なリスクアセスメントで適切と判断し選択した整合規格の内容を参考にすることができます。(部分的に参考にすることもできます。)

また、その適合性を確認するために、整合規格に記載されている構造要求や試験・測定手順と判定値を参考にし、確認結果としてのレポートを作成することができます。(試験、レポート作成を社外に依頼することも可能です。)

包括的リスクアセスメントの内容とこれに関連する資料(各図面、仕様書、取扱説明書、設計計算書、試験データ、等必要に応じて)とこれらを説明する内容、ならびに、確認結果レポートを技術文書に含めます。

技術文書を完成しその内容が適切であることを、メーカーの単独責任において最終判断したうえで、製品にCEマークを表示し、関連する指令の適合宣言書を作成します。

CEマーキングの概要

CEマーキングとは、ヨーロッパのEU加盟国の制度です。Single market — つまり、ヨーロッパを一つの市場とし、EU加盟国間の貿易障壁をなくすために設けられた制度であり、貿易を制限しようとするものではありません

但し、安全ではない物、危険な製品は市場に流通させないことは当然です。市場に流通させるのは、必須要求事項(Essential Requirements)もしくは安全目標(Safety Objectives)を満足した製品でなければなりません。

CEマーキングは、すべての製品に適用されるものではありません。詳しくは、

CEマーキングの勘どころ

CEマーキング該当/非該当・対象/対象外

をご参考ください。

必須要求事項(Essential Requirements)もしくは安全目標(Safety Objectives)を満足する

製品のジャンルや使用環境に応じてCEマーキングに関連する ”指令(Directive)” が定められています。それぞれの指令に必須要求事項(Essential Requirements)もしくは安全目標(Safety Objectives)があります。

製品は、該当する指令の必須要求事項/安全目標を満足するものでなければなりません。

メーカーがどのようにCEマーキングを進めていくか、欧州委員会のホームページに、6つのステップが紹介されています。詳しくは、

CEマーキングの勘どころ

6つのステップ

および、下位メニューの各記事をご参考ください。

CEマーキングの必要書類、適合宣言書(EU Declaration of Conformity)と技術文書(Technical Documentation)

CEマーキングにおいて必要な書類とは、適合宣言書(英語:Declaration of Conformity, DoC)と技術文書(英語:Technical Documentation, TD)です。

適合宣言書(自己宣言書)

指令の必須要求事項(Essential Requirements)もしくは安全目標(Safety Objectives)を満たしていることを自己宣言します。メーカー自身またはその正式代理人が、自らの製品が指令に適合していることを宣言します。

メーカーまたはその正式代理人は、自己宣言書を作成・保持します。市場監視当局から提出要求があった場合には速やかに提出しなければなりません。

詳しくは、

CEマーキングの勘どころ

6つのステップ

適合宣言書 (Declaration of Conformity) 

をご参考下さい。

技術文書

該当する指令に適合していることを提示するための文書一式が技術文書(Technical Documentation)です。メーカーが作成・保持し、当局からの正当な提出要求がある場合には速やかに提出しなければなりません。製品の取扱説明書や関連図面、テストレポート等がこれに含まれます。

詳しくは、

CEマーキングの勘どころ

6つのステップ

技術文書 (Technical Documentation) 

をご参考下さい。

適合宣言書(EU Declaration of Conformity)や技術文書 (Technical Documentation) は、誰かに提出して許認可を得るものではありません。

該当する指令に適合していることをメーカー単独の責任 (sole responsibility)において宣言します

CEマークの表示

製品にはCEマークを表示します。CEマークは定められたデザインの通りでなければなりません。似たようなマークを表示すると罰せられます。

CEマーク
CEマーク 表示スペースが不足でも、
C と E の間隔は詰めないでください。

詳しくは、

CEマーキングの勘どころ

CEマークの表示

をご参考下さい。

CEマーキングを取得する?!

上述のように、CEマーキングは、CEマークをメーカーが自らの責任において表示するものであり、許認可・ライセンスのように取得するものではありません。

一部のリスクが高い製品(例えばガス機器など)については、ノーティファイドボディ(通知機関)の関与が必要とされ、ノーティファイドボディが適合証を発行しますが、適合宣言およびCEマークの表示はメーカー自身が自らの責任において行います。

CEマーキングの勘どころ

6つのステップ

CEマーキングにおけるモジュールと
ノーティファイドボディの関与

をご参考下さい。

違反は罰せられます

不適合製品を流通させる、当局からの技術文書提示要求に応じない等の違反は、加盟国各国の法律に基づき処罰されます。通関時にチェックされることはほとんどありません。自由流通のための制度だからです。

これには恐ろしい反面があり、不適合製品をめざとく発見し流通を止めてくれません。不適合品を出荷し続け、いつの日か市場監視(サーベイランス)等をきっかけに不適合が発覚した場合、その内容に応じてリコール、罰金、禁固刑等が命ぜられます。

フォーマルな違反(マーク表示や文書の不備)は、各国当局レベルで即時是正を求められます。

サプライチェーンの中で、メーカー(製造者)を含む流通業者(供給業者)のCEマーキングにおける責務は定められています。

CEマーキングの勘どころ

供給業者の役割

をご参考下さい。

2017-10-18
冒頭の説明を追加、『違反は罰せられます』一部加筆:2020-12-28
冒頭に「欧州委員会による説明」追加:2026-05-01