CEマーキングが求めるリスクアセスメント
CEマーキングにおいては、リスクアセスメントの内容・結果を、技術文書に含めることが求められます。
製造業者は技術文書を確立しなければなりません。 文書は、関連する要求事項への装置の適合性を評価することを可能にし、リスクの適切な分析と評価を含むものとします。技術文書は、適用される要求事項を特定し、装置の評価、設計、製造、および操作に関連する限りそれらを網羅するものとします。
— 低電圧指令、EMC指令、RoHS指令に共通の「技術文書に関する要求(一部)
参考ページ
ここでいうリスクアセスメントは、いわゆる危険予知(KY)活動に似たようなアセスメントとは異なります。
指令への適合について、第三者が(例えば監査当局の担当者が)その適合性を確認しようとする際に、指令の必須要求事項と製品のもつ危険源との関連性、そしてどのようにリスク低減しているのか、その低減方策は妥当で信頼に足りるものか、を確認できる内容が技術文書に含まれていなければなりません。
その基礎となるものがリスクアセスメントであり、その内容・結果を技術文書に含めてください、ということです。
逆に言い換えれば、そのようなリスクアセスメントでなければなりません。
アシストCEは、メーカーによるリスクアセスメントを ’アシスト’ します。
リスクアセスメントは不可欠
上述のように、CEマーキングにおいては、リスクアセスメントの内容・結果を、技術文書に含めることが求められます。
すなわち、
必須要求事項は、特定の製品に固有の危険に応じて適用する必要があります。 したがって、製造業者は、リスク分析を実行して、製品が引き起こす可能性のあるすべてのリスクを最初に特定し、製品に適用される必須要件を決定する必要があります。 この分析は文書化し、技術文書に含める必要があります。
さらに、製造業者は、特定のリスクにどのように対処しているかの評価を文書化して、製品が該当する必須要件に適合していることを確認する必要があります(たとえば、整合規格を適用することにより)。 整合規格の一部のみが適用される場合、または適用されるすべての必須要件を網羅していない場合、それがカバーしていない該当する必須要件の対処方法を文書化する必要があります。
—ブルーガイド セクション 4.1.1より抜粋
原文【The ‘Blue Guide’ on the implementation of EU products rules 2022】
参考ページ
リスクの特定・査定
何が危険で
⇊
リスク低減設計(整合規格参考)
どのように対策し
⇊
確認評価・試験(整合規格参考)
それが確かであることを
⇊
技術文書にまとめる
他者に理解できること
ここでいうところのリスクアセスメントとは、
製造業者は、市場に出す前に、(または製品がすでにサプライチェーンに入っている特別な場合に、)製品の適合性を評価するプロセスの一環として、包括的なリスクアセスメントを行う必要があります。
製造業者のリスクアセスメントは、関連するすべての製品のハザードを考慮しなければならず、製品が設計または製造されたときに許容可能なレベルまでリスクを削減するための基礎となります。
ー EU general risk assessment methodology(EU一般リスクアセスメント方法論)
<Ref. Ares(2016)2656912 – 08/06/2016>
参考ページ
製品は適切で安全であることが求められます。メーカーはCEマーキングの枠組みをつかって、指令の必須要求事項を参照し、製品の持つ危険源との関連性を考慮し、そのリスクを許容レベルに低減していること、そしてこれを確実に達成していることを確認します。
製品を適切・安全にし、指令の必須要求事項を満たしていることを確認し、適合を宣言するのは、メーカーが単独の責任において行います。一部のプロセスを外部に委託しても、適合宣言の責任はメーカー(またはメーカーとその旨を契約した正式代理人)が負います。
最終的な適合宣言の是非判断は、完成品の評価結果や完成図書を以て行われるものですが、その要諦は、製品が適切・安全で指令の必須要求事項を満たしているかどうかであり、ここでいう意味でのリスクアセスメントによる自己チェックです。
この最終チェックにパスするように設計・開発をすすめるのは当然です。リスクアセスメントは設計・開発に方針を与えるものでもあります。ここでいう意味の『リスクアセスメント』は、構想段階、仕様決定段階、設計開発段階などで逐次見直し、リスクアセスメントの完成度を高めていきながら設計をすすめていくものです。
プロセスの過程で不合理な事項が見つかれば、前段階に戻って見直し、ときには、制限事項・使用上の前提条件まで遡って見直すことになるかもしれません。こうすれば適合するなどと都合のよい適合手順は存在しません。具体的に調べ、疑問を確認し、自身の責任において判断を下すことが必要です。
CEマーキング適合において
最重要かつ中心的な業務です
アシストCEは、リスクアセスメント、これに関連する調査、メーカー自身による判断を ’アシスト’ します。
リスクアセスメントで指令・整合規格を選定する
リスクアセスメントの内容及びその基礎情報となる制限事項・使用上の前提条件は、CEマーキングのどの指令に該当するかどうかの判断に必要です。
そして上述の該当指令の決定に引き続き、同様の製品関連情報と該当指令の必須要求事項と製品のもつリスクを考慮し、その内容をカバーしている適切な整合規格を参照し適用することができます。
整合規格は自由に選択できますが、その選択が合理的でなければ、製品が適合していることについての説明になりません。整合規格は何を用い、それでよいかどうか決定するのは、リスクアセスメントのプロセスにおいてです。
リスクが特定され、リスク査定によって ”許容できないリスク” と判定している事項については、リスク低減方策(適合対策、設計対策)が必要となります。多くの場合、設計者は自ずと頭の中で対策を講じていますが、確実に、もれなく、適切な低減策を講じていることを確認する必要があります。
リスク低減では、特定した指令の要求事項をカバーし、製品のリスクに応じて、構造のあり方、基準値、試験方法、試験判定などに言及している規格 ―『整合規格』の選択もしくは仮選択(各指令の整合規格リストから候補を推奨)し、設計者はこれを参考に設計することができます。整合規格は、自由に選択して、設計が参考にし、構造評価・試験の方法としても参考にすることができる『技術仕様』です。部分的に参考にすることもできます。整合規格は、流通の許可を受けるために、合格するべく挑む受験問題ではありません。
製品が完成すれば、特定されたリスクの低減方策が適切なものかどうかについて、選択された整合規格に従い構造評価・試験を実施し、レポートを作成することになります。(ステージ4:構造評価・試験及びテストレポートで実施)設計を決定するために事前に行うべき評価・試験は事前に行っておきます。
製品によっては、その実際的な困難さによって、規格の通りに評価・試験を実施できない場合もあり得ます。規格内容からの逸脱、他の規格の援用を考慮し、それでもリスクは適切に低減できていることを、合理的・技術的に提示するための手段・方策を検討します。
を併せてご参照ください。
リスクアセスメントのサポート
リスクの特定、危険源とは具体的にどういうものか、については概ね以下を援用します。
・機械指令
ー EN/ISO 12100 援用
・低電圧指令
ー CENELEC Guide 32 援用
・EMC指令
ー EMC phenomena、”ポート”の概念、EMC指令ガイド 援用
アシストCEでは、リスクアセスメント及びその記録文書作成をサポートします。
- リスクアセスメント記録フォームの提供
- ENISO 12100をベースにしたフォーム(機械指令)
- CENELEC Guide 32 をベースにしたフォーム(低電圧指令)
- EMC phenomena をベースにしたフォーム(EMC指令)
これら個別のフォーム(ワード)を提供いたします。
- リスクアセスメント実施のサポート
リスクアセスメント記録
4つのサービス形態から複数をお選びいただけます。
アドバイスとドラフト版作成、実践指導とドラフト作成、等々
業務には、ステージ1以下の完成された文書一式(リスクアセスメントに関連して必要な物のみ)に加えて、危険源の有無とリスク査定に必要かつ的確な情報が必要です。
2020-11-11
ブルーガイド2016へのリンクを2022へ差替:2022-07-06
各種テンプレート・フォームと技術解説資料
お気軽にお問い合わせください。
CEマーキングリーダー育成、文書作成指導、社内標準化など。
ウイザード形式で当社のサービスを案内します。
選択肢を順番に選択することにより、簡単に見積もりのお申込みが可能です。
適合宣言の範疇、製品仕様、Intended use analysis、リスクアセスメントの最初のステップです。
指令の必須要求事項と製品に内在するリスクを照査します。
評価・試験を効率よく進めるためには、適切な計画の下で予め必要な物を揃え、必要な事項を決定します。
CEマーキングでよく実施される評価・試験を迅速に、低価格で実施します。
技術文書ドラフト版(英語)を作成します。(ワードファイル)
適合宣言書ドラフト版(英語)を作成します。(ワードファイル)
Regulation (EU) 2019/1020 のAuthrised Representativeのタスクを履行します。
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