CEマーキングにおける試験
『CEマーキング試験』なるものは存在しません。メーカーは、指令の必須要求事項と製品のもつリスクを、リスクアセスメントを実施して検討し、多くの場合、リスク低減方策が適切であることを実証確認するために、適切な試験を選択して実施します。
適切な試験を選択しようとするとき、指令の必須要求事項をカバーし、指令への適合に推定を与えるとして認められている技術仕様、すなわち整合規格が欧州官報にてそのリストが発表されています。メーカーは整合規格を適切に選んで用いることができます。
もちろん整合規格(=技術仕様)を事前に参照し、問題発生しないように設計することは当然です。
整合規格には、試験方法と合格基準だけが記載されているのではありません。規格によって様々ではありますが、設計の参考にするべき構造や、部品の選定、製品に表示するべき内容、取扱説明書に記載するべき内容、等々が記述されています。
これらは製品のリスクに基づいて参考にするべき技術仕様であって、遵守を強制し少しでも逸脱があれば違反とでもいうような法令・規制の条文ではなく、指令への適合をスマートに提示するための一つのツールです。
どの整合規格を選択するか、整合規格を部分的に選択するか、あるいは他の適切な技術仕様を参考にするか、メーカーが自身の責任において自由に選択(free to choose)します。
CEマーキングにおける試験は、基本的に型式試験 (TYPE TEST) です。一つのモデルに対して実施するもので、毎々、全ロットに実施するものではありません。
しかし整合規格によっては、いわゆる出荷試験 (ROUTINE TEST) を要求している規格もあります。(例:EN 61010-1 では、耐電圧試験を要求している。)
過去の試験結果や類似品の試験結果を共用できると評価可能であれば、同じ試験を繰り返す必要はありません。
製品ファミリーの場合は、ファミリー内のモデルを上手に整理して、適切な代表モデルを選びます。(1モデルとは限りません。その試験について一番不利なモデルを選ぶ。)
多品種の場合も、試験計画を上手くやりくりして、合理的に適合性評価プロセスをすすめます。例えば、多くのモデルに共用されるユニットは、それ単体であらかじめ試験、技術文書を準備した方が、全体としてコストを下げられる場合があります。
逆から言えば、そのようにできる製品ラインナップ、ファミリー構成にしておくのが賢いやり方です。
製品安全での主な試験
アース導通連続性試験
人が触れる導通部分が低インピーダンスで確実に接続されているか、大電流を流して抵抗値が規定値以下か確認します。
漏洩電流測定
アースが接続されない場合、L-Nが逆接続の場合も含めて、人が触れる部分からの漏洩電流が規定値以下か確認します。
温度上昇測定
人が触れる部分の温度、内部部品の温度上昇/環境温度が規定値以下か確認します。
絶縁抵抗測定
危険電圧を絶縁している部分の絶縁抵抗値が規定値以上か確認します。
耐電圧試験
様々な条件の下で耐電圧が確保されているか、実際に高電圧を印加して耐圧不良がないか確認します。
入力電力測定
電源入力電圧の ±10% にて入力電流・電力を確認します。
残留電圧測定
電源接続解放後、直ちに既定の電圧以下になるかを確認します。
音圧測定
異常な騒音がないか、音圧レベルが規定値以下か確認します。
アブノーマル試験
回路の短絡/解放、冷却手段の停止、モーター拘束、制御の暴走等で危険を呈するか確認します。
機能試験
インターロック、モード変更、非常停止等の動作を確認します。
人体暴露測定
磁界レベルが規制値を超えていないか確認します。
EMCの主な試験
放射エミッション測定
筐体、ケーブルから放射する電磁波の電界強度[V/m]レベルを測定します。
伝導エミッション測定
ケーブルを介して伝導するノイズレベルを測定します。
高調波電流エミッション測定
電源供給ラインの高調波レベルを測定します。
フリッカ・電圧変動
電源供給ラインのフリッカ・電圧変動を測定します。
静電気イミュニティ
製品に静電気を印加するテストです。
放射イミュニティ
筐体、ケーブルに電磁波を照射するテストです。
ファストトランジェントバーストイミュニティ
電源ライン、信号ラインに、バースト波を印加するテストです。
サージイミュニティ
電源ライン、屋外ケーブルに、雷を模擬したサージ電圧を印加するテストです。
伝導イミュニティ
電源ライン、信号ラインにノイズを印加するテストです。
電源周波数磁界イミュニティ
筐体に交流電源磁界を印加するテストです。
電圧ティップ、瞬停イミュニティ
電源電圧の瞬時低下、瞬間的な停電を模擬したテストです。
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2020-11-13
電源品質アナライザー、サーモビューアーを追加:2022-12-10
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選択肢を順番に選択することにより、簡単に見積もりのお申込みが可能です。
適合宣言の範疇、製品仕様、Intended use analysis、リスクアセスメントの最初のステップです。
指令の必須要求事項と製品に内在するリスクを照査します。
評価・試験を効率よく進めるためには、適切な計画の下で予め必要な物を揃え、必要な事項を決定します。
CEマーキングでよく実施される評価・試験を迅速に、低価格で実施します。
技術文書ドラフト版(英語)を作成します。(ワードファイル)
適合宣言書ドラフト版(英語)を作成します。(ワードファイル)
Regulation (EU) 2019/1020 のAuthrised Representativeのタスクを履行します。
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