この記事では、「”認証”」という言葉を慎重に扱います。
「”認証”」という日本語のイメージと、CEマーキングの指令・規則で説明されている「”Certificate”」が一致するものかどうか、是非この記事をご参考くださればと思います。
1.「”認証”」が必要な製品
いわゆる「”認証”」が必要かどうか、CEマーキングに関連する各指令・規則においてそれぞれに分類されています。
したがって、まずは製品に該当する指令・規則を特定し、その指令・規則の中で、製品がそれぞれどの分類にあてはまるか、検討し、決定することが必須となります。
指令・規則には、その分類に従って、ノーティファイドボディ(*)がどのように関与するか、その選択肢が示されています。
(*) ノーティファイドボディ:「”認証”」機関と訳されることが多い。ノーティファイドボディとは
選択肢が一つしかなく、事実上一択となる場合もあれば、そもそも分類がない場合もあり、指令・規則によって様々です。少なくとも、CEマーキングは、すべての製品が「”認証”」ではない。
一概に「”認証”」とは言えない
該当指令・規則での分類によって異なる
まずは製品に該当する指令・規則を特定することからです。
製品に該当する指令・規則を特定しましたら、
製品を分類する規定があるか、
規定がある場合、どの分類になるか
を判断しなければなりません。
そして、その分類によって、ノーティファイドボディがどのように関与するかの選択肢が示されています。
ノーティファイドボディがどのように関与するかについては、モジュールとしてまとめられており、モジュールAからモジュールHまで定義されています。
モジュールA~Hについて具体的にどのような関与になるかについては、それぞれの指令・規則の附属書に示されており、これを確認する必要があります。
指令・規則によっては、モジュールAしかない場合があります。モジュールAは「内部生産管理」であり、ノーティファイドボディの関与は基本的には不要です。
他方、モジュールAや他のモジュールは選択肢になく、一部のモジュールのみが選択肢となる指令・規則もあります。
モジュールの特定のためのコンサルティング、アドバイスについて
メーカーはモジュール選択の決定について責任があります。決定のためのアドバイスは可能です。
製品に該当する指令・規則と、そこに規定されている製品分類の条件判定に関連する製品情報が必要となります。
なぜそのモジュールを選択したのかについてメーカー自身で説明できるようになることが重要です。これは広範な意味でのリスクアセスメントに相当します。
メーカー自身でできるようにサポートします。
2.モジュールと自己宣言
モジュールA(*)は「内部生産管理」であり、ノーティファイドボディの関与を必要としません。一方、モジュールB~Hでは、内容に応じてノーティファイドボディの関与が規定されています。
(*) 厳密にはモジュールAでもノーティファイドボディの関与を受けられる場合があります。
モジュールA:自己宣言
それ以外:「”認証”」
と理解できそうですが、そうではありません。
どのモジュールを選択しても、メーカー自身が製品の適合を確認し、宣言します。(「自身単独の責任で」、と宣言書に記述しなければなりません。)
つまり、モジュールAでもBでも、Hでも、自己宣言です。
言い換えれば、ノーティファイドボディの関与を受けても、適合宣言の責任は、メーカー単独のものとなります。
モジュールAは、「内部生産管理」であり、ノーティファイドボディの関与を必要としません。しかし、製品の設計と製造が適切かつ確実に行われなけれなりません。他のモジュールが適用される場合でも、それは基本です。
3.「”認証”」の実際
製品に該当する指令・規則を特定し、適用されるモジュールがA以外であるとき、ノーティファイドボディに関与を依頼することになります。
ノーティファイドボディには、適用されたモジュールの内容に従って関与してもらうことになります。相応の期間と対価の支払いが必要になります。
多くの場合、製品の概要、基本情報と、該当指令・規則、選択したモジュールを伝え、見積用フォームに記入することになります。一般契約条項に合意、サインを求められることは普通です。
メーカーから秘密保持を求めることも可能ですが、ノーティファイドボディの書式でなければ応じられない場合もあります。
詳しくは、実際にノーティファイドボディに問合せするほかありません。
(すこしネット検索すればすぐにわかります。)
注意点
- ノーティファイドボディには、ノーティファイドボディとして承認された、指令・規則があります。ノーティファイドボディとして承認されていない指令・規則について関与することはできません。NANDOデータベースで調べることができます。
- 発行資格のない発行者による適合認証書は法的に認められません。
- 正しい適合認証書が発行されたとしても、メーカーが指示した範囲内で、メーカーに対して発行されるものです。販売許可書のような、そもそもCEマーキングで定義されていない書類が発行されるものではありません。
- メーカー自身が製品の適合性を確認することが基本であって、その透明性の担保のために、透明性が高く、能力が承認されたノーティファイドボディの関与が規定されています。
- ノーティファイドボディは、利益相反行為は固く禁じられており、どうすれば合格するか等の相談に回答することはできません。ノーティファイドボディはコンサルタントではありません。
ノーティファイドボディに対して、適切に関与を得るために、必要な情報や試験サンプルを準備し、的確に対応する必要があります。
ノーティファイドボディの「”認証”」を得たなら、CEマークのすぐ横にノーティファイドボディの番号を表示しなければなりません。また、適合宣言書にも必要な要素を記述する必要があります。
製品の適合の確認は、メーカー自ら行います。
ノーティファイドボディの関与が必要な事項について、正しい適合認証書があることなど含め、すべてのピースが揃っていることを確認して、「自身単独の責任(=Sole responsibility)」において適合宣言します。
モジュールの選択によっては、その後、定期・不定期に監査を受けることが求められます。
4.CE「”認証”」の本質
ここまで、CE「”認証”」の実務について説明してきました。
日本語でいうところの、いわゆる「認証」とは違う、と感じられたのではないでしょうか。
CE「”認証”」の中身とは。
「”認証”」を受けても受けなくても、製品の適合宣言をするのは、自身単独の責任において、です。
CE「”認証”」とは言っても、CEマーキングの本質は、自身単独の責任による適合宣言です。
製品について不適合がないと最終判断するのはメーカーであり、ノーティファイドボディの関与を受けたからといって、その責任を肩代わりしてくれるわけではありません。「”認証”」に丸投げすることはできません。
CEマーキングは、製品の「”認証”」があれば、それだけで市場監視をパスできる制度ではありません。
「自己宣言」より「認証」の方が、格上で、カッコイイと感じるかもしれません。
しかし、CEマーキングが求めているのは、メーカー自らが製品の適合を確認し、自らの責任で宣言することです。
目的は認証ではなく、補完。
当社のコンサルティング、アドバイスについて
当社では、モジュールの決定やノーティファイドボディの選定についてコンサルティング、アドバイス可能です。
当社はノーティファイドボディではありませんので、適合のためのアドバイスは可能です。
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