技術文書 (Technical Documentation)

あなたのこの製品は、何を以て適合しているのですか?

この問いに対する答えが技術文書 (Technical Documentation) です。技術文書 (Technical Documentation) は、指令への適合性を提示する文書一式です。

技術文書のサンプル例は、《テクニカルドキュメント》のページからダウンロードできます。

最終製品メーカーが作成します。当局からの正当な要請がある場合、速やかに提出しなければなりません。製品の上市を中止しても10年間は保持しなければなりません。

技術文書(テクニカルドキュメント)に何を含めるのか

技術文書の内容に関する要求は、各指令に記載されています。技術文書には指定された書式はありません。各指令毎に、記載内容について箇条書きの要求があります。要求は指令によって様々ですが、おおむね共通する内容があります。

1.製品の概要
2.製品の各種図面
3.適用した整合規格、その他規格
4.設計計算、試験結果
5.テストレポート

これら箇条書きの内容は、『適切な場合に少なくともこれらの要素を技術文書に含める』として例示されているものであって、適合性を提示するために必要な事項は追加し、説明不足が無いようにしなければなりません。つまり、関連図面、関連資料等を、ただ単にファイリングすればよいのではありません。適合性を提示するに足りる内容がなければ意味がありません。

低電圧指令、EMC指令、RoHS指令に共通の技術文書に関する要求(一部)
Technical documentation

The manufacturer shall establish the technical documentation. The documentation shall make it possible to assess the apparatus conformity to the relevant requirements, and shall include an adequate analysis and assessment of the risk(s).

技術文書

製造業者は技術文書を確立しなければなりません。 文書は、関連する要求事項への装置の適合性を評価することを可能にし、リスクの適切な分析と評価を含むものとします。

The technical documentation shall specify the applicable requirements and cover, as far as relevant for the assessment, the design, manufacture and operation of the apparatus. 技術文書は、適用される要求事項を特定し、装置の評価、設計、製造、および操作に関連する限りそれらを網羅するものとします。

技術文書 記載要求事項の各指令横並び一覧表(英語)ワードファイルが開きます 》

ブルーガイド セクション 4.1.1の説明
Essential requirements must be applied as a function of the hazard inherent to a given product. Therefore, manufacturers have to carry out a risk analysis to first identify all possible risks that the product may pose and determine the essential requirements applicable to the product. This analysis has to be documented and included in the technical documentation. 必須要求事項は、特定の製品に固有の危険に応じて適用する必要があります。 したがって、製造業者は、リスク分析を実行して、製品が引き起こす可能性のあるすべてのリスクを最初に特定し、製品に適用される必須要件を決定する必要があります。 この分析は文書化し、技術文書に含める必要があります。
In addition, the manufacturer needs to document the assessment of how he is addressing the risks identified to ensure that the product complies with the applicable essential requirements (for example, by applying harmonised standards). If only part of the harmonised standard is applied or it does not cover all applicable essential requirements, then the way applicable essential requirements not covered by it are dealt with, should be documented (152). らに、製造業者は、特定のリスクにどのように対処しているかの評価を文書化して、製品が該当する必須要件に適合していることを確認する必要があります(たとえば、整合規格を適用することにより)。 整合規格の一部のみが適用される場合、または適用されるすべての必須要件を網羅していない場合、それがカバーしていない該当する必須要件の対処方法を文書化する必要があります152
(152) Even where the manufacturer uses a harmonised standard (where its reference is published in the OJ and which aims to cover certain risks) to satisfy essential requirements, the risk assessment has to be carried out and he must check whether the harmonised standard covers all risks of the product. This is because it cannot be assumed that the harmonised standard covers all requirements of all legislative acts applicable to a given product (or, indeed, all the requirements of the specific act under which it has been developed) or whether the product in question introduces also other risks not considered in the harmonised standard. (152) 整合規格(その参照はOJで公開されており、特定のリスクをカバーすることを目的としています)を使用している場合でも、必須要求事項を満たすために製造業者がリスク評価を実施する必要があり、整合規格が製品のすべてのリスクをカバーしているかどうかをチェックする必要があります。これは、整合規格が特定の製品に適用されるすべての立法行為のすべての要件(または実際、それが開発された特定の行為のすべての要件)または、問題の製品が、整合規格で考慮されていない他のリスクも導入しているかどうかをカバーしているとは想定できないためです。

指令の必須要求事項への適合性、必須要求事項をカバーする規格の選択したことの合理性を含めて適合性を提示するため、製品の全てのリスクをカバーしている旨のリスクアセスメントの記録もしくはこれに相当する内容が技術文書に含まれていなければなりません。(CEマーキングの勘どころ整合規格とは 参照)

また、適合性に関係しない事項、特に、特許技術にかかわる内容等、不必要な内容は含めるべきではありません。


実際の技術文書

各指令の技術文書 (Technical Documentation)に対する要求事項、指令への適合性を提示するという目的を鑑みて、下記のような内容・関連資料を準備する必要があると考えられます。もちろん、下記は一例ですので、製品のリスク、構造等によって適切に編集・構成し直すことが必要です。

技術文書の構成内容例
技術文書の構成内容例(クリックして拡大)

技術文書を保持・変更管理する

欧州に上市し続けていく中で、指令や整合規格が改定されることがあります。また、製品に使用している部品が製造中止になることも考えられます。

欧州に上市し続ける限り、製品の適合性は維持しなければなりません。変更点についてアセスメントし、技術文書 (Technical Documentation)は適切に更新されなけれなりません。


2017-03-24
指令の技術文書要求、ブルーガイド関連部分の対訳を追加、一部改稿:2020-08-17

TOPIX

  • 指令への適合を提示するための文書一式である
  • 製造メーカーが作成する
  • 第三者が理解できる内容にする
  • 当局からの正当な要求に応じて速やかに提出する
  • 10年間は保持する

おことわり

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